【管理不良について考える】

 

どこの実装工場でも実施されているRoHS管理。

またRoHS管理同様どこの実装工場でも実施されている半田コテ先温度絶縁抵抗管理。

写真上はそれらを測定するチェッカーであるが、Pb-Free用とLead用各々専用に分けて管理使用されているのが一般的である。

工場の経営者管理者はしっかりと教育したから間違えることはしないし、まして別々にしているから間違え様が無いと考えている。

果たしてどうか?

クリーム半田、ソルダーバー、糸半田といった指定直材の使用間違い及び混入は表示、記録、作業者限定等により基本的には起き

難いであろう。

しかし、問題は直材の扱いよりも周辺に隠されている。

作業者が定時温度チェック(通常シフト毎2回/日実施が一般的)の際に、いつも使っているチェッカーが所定の位置に無い。或いは

壊れている。生産開始時間が迫っているといった状況下で、作業者はいつもと同じ行動を取るだろうか?

答えは大部分がNOであろう。

とりあえず測定して規定値内であることの確認を優先してしまうのでは。つまりは作業優先するがために、温度測定をして作業に取り

掛かりたいはずである。問題はその場面である。Pb-Free用チェッカーをLead用に流用した後に、或いはLead用チェッカーをPb-

Free用に流用した場合、半田コテ先に僅かでもLead半田が残留した結果、Pb-Free対応基板にLead半田が付着するケースが

ある。RoHS指令の鉛混入限界値は1,000ppmである。仮に数ミリグラムでもコテ先に付着し、製品か提出試料(サンプル)に付着したら

あっという間に規定値オーバーである。

とある工場の蛍光X線解析機によると、Pb-Free半田(Sn-3Ag-0.5Cu)といえども含まれる鉛はゼロではなかった。蛍光X線の照射

角度にもよるだろうが、150500ppm混入しているとの検査結果であった。作業者が指定された直材さえ間違えなければ良いと思い、

チェッカー或いはコテ先を安易に作業優先で数ミリグラムの半田を乗せてしまい、それが抜取りテストに引っ掛かった場合300500ppm

では済まない。10,000ppmは優に超えてしまうことになる。結果は想像に難くないが数ミリオン$~数十ミリオン$足る被害を被る事になる

わけである。

作業者に充分な教育とトレーニングを課していたのに。

などと経営者管理者から言わせたら信頼を裏切られただけではなく、酷い被害を被ったと思うであろう。しかし、ここで本当に作業者だけが

責められるだろうか?

管理とは混入しない環境と仕組みが整っていなくては話にならない。

Lead半田使用工程とPb-Free半田使用工程間で人モノが容易に往来できる環境はNGである。作業者は全て間違いを犯すという前提

で工程設計、職場環境整備しなくてはならない。

製造現場では善人説に立った管理ではなく、悪人説、間違いは必ず起きるを前提に管理する必要がある。人間は機械では出来ない精巧

な作業もこなしてしまう能力、それらを創造する思考を有しているが、飽くなき繰り返される作業は機械のそれには適わない。製造現場の

管理の基本は、如何に同じ動作、同じ作業を間違いなく繰り返すことが出来るかが要である。裏を返せば変化が容易に見える職場。変化

対応力に優れた職場ということになる。

そんな観点で製造現場を見て頂ければ更に視野が広がると思いますよ。

(Quoted by Mr.Berdie on 20/Apr/2010)